岡崎さんからの便り

  11月に入ってイギリスの朝夕も冷え込みが厳しくなってきました。間もなくこっちでの生活も二か月が経とうとしています。「早く生活に慣れたい、でも自分のペースを失わずに」こんな相反する気持ちを抱えながら過ごしてきた日々を、今は少し懐かしく感じます。生活にも大分慣れ、笑える回数も増えてきました。今この二か月を振り返り、ただ自分なりにがむしゃらに走ってきたな、そう思います。時間が経つのも早く感じます。過去の自分を客観的に見ることができるというのが、「慣れた」という証拠だと思います。しかし肝心の自分の英語力が伸びているのかどうかは自分ではなかなか分かりません。この間、現地の学生に留学生を対象にインタビューしているんですけど協力してくれませんか、と言われ、せっかくの機会なのでインタビューを受けさせていただきました。30分後、インタビューが終わってバス停まで歩いていると、通りすがりの2人の学生が話している会話が聞こえました。その時ふと「あれ、俺いま聞き取れた?もしかして理解できた?うん、確実に聞き取れた!完全に理解できた!!」
 ただ嬉しかったです。
と言うのも、今まで一度も現地の学生が話す会話を100%理解できたことはなかったのです。
 たった2、3秒の出来事でしたが、感動で言葉が出ませんでした。そのあとバスに乗って、「自分の英語力は確実にちょっとづつ伸びているんだな」と実感しました。こんな些細なことが自分にとっては大きな進歩なんだと知りました。
 その日は嬉しくて自分へのご褒美に日頃は買わないチョコレートを買いました。このチョコレートは今までの人生で一番美味しく感じました。
 過去に頑張った自分が今の自分の肩にそっと触れた、そう思える1日でした。