森さん(韓国)からの便り

韓国・培材大学校に派遣留学中の森裕生です。


韓国に住んで3ヶ月が過ぎましたが、韓国に住んでいていると、避けては通れない道があります。それは「南北統一」の話です。僕も個人的にこの話には興味があるので、韓国の学生と話す機会があれば、意見を求めることもあります。しかし、「韓国側の経済的負担が大き過ぎるため反対」、「私自身、北側に親族がいるわけでもないのでどっちでも良い」、「正直関心がない」と言った意見を多く聞いてきました。


これは僕自身意外なことで、統一は国民みんなの願いと思っていたのでびっくりしました。それと同時に、若い世代がこのように思っているということは、「この先統一という事は実現しないだろうな。」と思わされました。


しかし先日、朝鮮半島で豊作を祈ったり、感謝したりするときに演奏されてきたサムルノリという伝統音楽を演奏するサークルに参加したとき、韓国の学生からこのような話を聞きました。「今、朝鮮半島は南と北に分断されているけど、文化や民族に北も南もない。みんな一緒だ。サムルノリも同じで、北と南で何かが違うわけでもない。私たちはサムルノリするとき、統一のことを願い、考えながら演奏している。」とても重みのある言葉でした。その通りだなと。そして、今まで聞いたことのなかった意見を聞けてうれしく思いました。


私たち日本人にとって、この南北分断は他人事ではないと思います。日本の朝鮮半島植民地支配が南北分断の引き金と言っても過言ではないわけです。私は1年間という時間を韓国で過ごす予定です。語学だけでなく、このような問題もしっかり考えていくことは有意義な留学生活を過ごす上でとても重要だと感じる出来事でした。